前回のつづき
ソンさんはどんどんビールを注文し、浴びるように飲み始めた。
「こいつもう仕事する気ないな・・・。」半ばあきれながら見ていると、ソンさんは腕時計を自慢しはじめた。
日本人にもらったと言って、自慢げにみせびらかしたその時計はカシオの
MR-Gだった。なかなかいい時計じゃないの。俺も持ってるけど。
そのうちソンさんは、しきりにおっぱいパブやマッサージに行こうと進めてきた。
日本人のコメントが書かれた「感謝ノート」みたいなものを見せて、俺がガイドした日本人はこんなに喜んでいるんだぞ、的なアピールをする。
ノートを見せてもらうと、「ソンさんにおっぱいパブにつれて行ってもらいました。とても楽しかったです。」
「ソンさんの家に遊びに行きました。現地の生活を体験できていい思い出ができました。とてもいい人です。」
というようなコメントが書かれていた。
なるほど、これは神田昌典氏の著書
「口コミ伝染病」に書かれていた客が客を呼び込むというやつだな。
などと関心する余裕などあろうはずもなく、私はこいつは怪しいな。あまり関わらんほうがいいな、と思い全てソンさんの要求は断った。
するとソンさんは段々と不機嫌になり、会話が無くなってきた。
挙句の果て、「ここの飯代は俺が払うからUS50$よこせ。」などと言ってきた。
ついに正体を表しやがった! 「酒ばかり飲んで、ろくに仕事もしないで何でそんな金払わなければいけないんだ!飯代は俺が払うから50$は出さない。」と反論すると、ヤツは益々不機嫌になり、「じゃあ25$出せ!」と言う。
値切りやがった!しかも半額!! 「じゃあ10$払うよ。」と言ってみたがヤツは納得しない。
ヤツは電話を取り出し、どこかに掛け始めた。しばらくすると、ヤツのいとこだという人がやってきた。
日本の企業で働いているというこの人は、「あなたお金払わないとだめだよ。」とヤツの弁護をしはじめた。
ウェイトレスが伝票を持ってきた。会計は約18~19万ドンだったが、チップ込みで20万ドン置いてきた。
さらに10万ドンヤツに叩きつけ、逃げるように店を出た。場所がよくわからないので、急いでバイタクをつかまえてホテルのあるファングーラオまで行ってもらった。
ソンさんのような人に高い金を払って、ガイドブックには載っていない所へつれていってもらうのも金を気にしない人なら楽しいかもしれないし、日本の金額に比べれば随分安い。
でも、こういう人たちのせいで日本人がカモにされているのも事実である。
発展途上国へ旅行へ行く日本人には、もっと責任感を持って行動してもらいたいものだ。
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